標準貫入試験

標準貫入試験とは?



   標準貫入試験(SPT試験)は、 日本で行われているサウンディングのなかで最も普及した動的貫入試験です。 1961年に日本工業規格(JIS)により、JIS A 1219として初めて試験法が規格化されました。 以来40年以上、N値と様々な物性との相関性や理論、設計基準・指針などが整備され、研究が続けられています。 この試験により、N値を求めるとともに土試料を採取します。

N値・・・原位置における土の硬軟、締まり具合または土層の構成を判定するための基準値のことです。 質量63.5kgのハンマーを75cm自由落下させて、ロッド頭部に取り付けたノッキングヘッドを打撃し、 ロッド先端に取り付けた標準貫入試験用サンプラーを地盤に30cm打ち込むのに要する打撃数のことを言います。


標準貫入試験の装置


やぐら
   柱を塔状に組み上げた架設の上部に滑車をつけ、 巻上げ用の引綱でハンマーを吊ります。ロッドの昇降に支障がないよう5m以上の高さが必要となります。

  
  
やぐら各種

ハンマー
   質量63.5kgfの鋼製と規定されています。打撃用のおもりです。 写真左が自動落下式専用ハンマーで、右が手動式のハンマーです。


ハンマー

ボーリングマシン
   引綱の巻上げに使用されます。写真のマシンは油圧式です。


ボーリングマシン

サンプラー(標準貫入試験用)
   写真のサンプラーは、 SPT試験で一般的に使われるスプリット式バレル(二つに割れる)、 シュー、コネクターヘッドからなる鋼製のものです。寸法は規定されています。 地盤調査におけるサンプリングの目的は地盤の情報を得ることです。 そのために、土の観察や室内試験のための試料を採取します。
   下の写真はスプリットバレルを割り観察しているところです。 色、含有物、感触等を確かめ、記録をします。 更に詳しい強度試験や化学的な成分調査等は、サンプルを持ち帰り、室内試験で計測されます。

 

サンプラー

ケーシングチューブ
   孔壁保護の目的で、掘った穴の孔壁に当て込む鋼製の管です。 また、掘削用具と孔壁との摩擦を防止します。 この中にビットを入れ掘進していきます。


ケーシングチューブ

トンビ
ハンマーの落下方法は,通常の「コーンプーリー法」と区別した「トンビ法」があります。 トンビにハンマーをかけ,ロープとコーンプーリーで巻き上げ, 所定の位置でトンビに付けたもう一つのロープを引きハンマーを落下させます。

トンビ
トンビ

標準貫入試験の手順


自動落下式
ハンガー装置でハンマーを吊り上げ、75cmの定位置まで上昇すると, ハンマーが自動的にハンガー装置から外れて自由落下し, ノッキングヘッドを打撃する構造となっています。 そしてロープをゆるめ、ハンガー装置を降下させハンマーをキャッチし、再び持ち上げます。 目視によりハンマーを落とす手動式に対し、自動落下式は作業効率が良いと言えます。 また、コーンプーリーと引綱の摩擦による人的誤差も解消されます。

標準貫入試験は以下のような手順で行われます。

  1. サンプラーをロッドに接続し孔底に静かに降ろします。




  2. ノッキングヘッドおよびガイド用ロッドをロッド上部に取り付けます。




  3. 予備打ち、本打ち、後打ち(あとうち)をそれぞれ15、30、5cm打撃により行います。 (3枚目の写真はロッドにその規定深さを目盛っているところです。) 本打ちはハンマーの落下高75cmで,自由落下とします。 打撃1回毎に累計貫入量を測定します。 特に指示のない場合、本打ちの打撃数は50回を限度とします。




  4. サンプラーを上げ、スプリットバレル内の採取試料を観察します。




  5. 代表的な試料を透明な容器に密封します。




ガイド用ロッドにハンマーを通す

自動落下式の重り落下直前

規定深さを目盛る

採取資料の観察

標準貫入試験のエネルギー効率


エネルギー効率の定義

ハンマーの持つ位置エネルギーEは落下時におけるハンマーとガイドロッド, ロープとコーンプーリーとの摩擦などのエネルギーロスによって, ノッキングヘッドへの衝突の直前にはE1に減少します。 更に,衝突時にノッキングヘッド内で生じるロスによりE1は完全にロッドに伝達されず, E2となります。 E2もロッド内を下がるにしたがい,徐々に減衰してE3となります。 これらのエネルギー比は以下のように定義され,エネルギー効率と呼ばれます。 エネルギー効率の実測値はこれまでの研究により表-1の値が得られています。 e3(x)は特に深い場合以外は実用上無視できるとされています。 標準貫入試験において,与えられたエネルギーに差があるとN値を同一に比較することができないため, 国際標準試験方法ではN値の比較を厳密に実施しなければならない場合, エネルギーの打撃効率を測定するとともに,標準運動エネルギーの60%に補正することが提案されています。 このようにN値は試験装置や試験方法によって,その結果に大きな影響を与えるため, 今後ハンマーの自由落下についての研究が求められます。

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